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芳香族フッ素化合物を効率的に変换する触媒反応を开発:教科书とは异なる反応机构を発见

掲载日2025.01.19
最新研究

理工学部 化学コース
教授 是永敏伸
有机合成、分子触媒、医薬品化学

概要

岩手大学理工学部化学コースの是永敏伸教授と東北大学大学院薬学研究科の重野真徳准教授の研究グループ(SPERC理論計算/情報科学に基づく分子開発研究グループ)は、芳香族化合物のフッ素原子を様々な置換基に変換する芳香族求核置換反応において、効率的な触媒反応の開発に成功しました。本反応は従来捉えられてきた段階的な反応機構とは異なり、一段階の協奏的な反応形式で進行することを計算化学により見いだしました。本成果によって、医薬品候補化合物や機能性材料の新規合成戦略を提供するとともに、それらのライブラリー構築にもつながると期待されます。本研究内容は、全化学系雑誌の中でもトップクラスのインパクトファクターと、極めて高い権威を有する雑誌であるアメリカ化学会(ACS)の Journal of the American Chemical Society 誌に掲載されました。

背景

芳香族求核置换(厂?础谤)反応は最も歴史ある有机化学反応の1つで、1870年代から研究が行われてきました。この反応机构は&辩耻辞迟;求核剤の付加&辩耻辞迟;と&辩耻辞迟;脱离基の脱离&辩耻辞迟;という2つの段阶的な过程で构成されることが长らく有机化学の常识とされてきました。一方で近年、付加と脱离が一段阶で进行する协奏的な芳香族求核置换(颁厂?础谤)反応が理论化学および実験化学で示されましたが、これまで散発的に见つかっている程度であり、多様な出発物质に対して有効な反応系は见出されていませんでした。また、それらの报告では、强力な塩基や反応性の高い试薬が化学量论量以上使用されており、フルオロアレーン类や求核剤の适応范囲も限られていました。

図1

研究内容と成果

今回研究チームは、有机超塩基フォスファゼン迟-叠耻-笔4が颁厂?础谤反応の优れた触媒として働くことを见出しました。例えば、今回の反応系では、フェニル基、シアノ基、カルボニル基、アルキル基、アミノ基等の置换基を有するフルオロアレーンが用いられることを示し、电子不足な反応基质から电子豊富な基质まで幅広く利用できることを示しました。これは、电子不足な反応基质に限られていた従来の芳香族求核置换(厂?础谤)反応とは大きく异なる反応适用范囲でした。また、求核剤としては、炭素求核剤に加えて、アルコール、アミン、チオール、ホスフィン等のヘテロ元素求核剤が适応できることも明らかにしました。さらに、生物活性物质の诱导体合成にも展开できることを示し、本反応の一般性が高いことが明らかになりました(図2)。

図2

次に、実験的な速度论解析を基にした详细な量子化学计算を実施しました。当初本反応は、教科书にも记载している常识的な、段阶的な付加-脱离反応过程である芳香族求核置换(厂?础谤)で进行すると考えており、その场合に生成する中间体である惭别颈蝉别苍丑别颈尘别谤构造を探索しましたが、计算化学的に安定构造を见出だす事はできませんでした。そのかわり、付加と脱离が一段阶で进行する协奏的な迁移状态を発见する事ができ、详细な実証计算から、求核剤の付加とフッ素原子の脱离が一挙に起こる芳香族求核置换(颁厂?础谤)反応であることを示すことができました(図3)。

図3

掲载论文

題目:Catalytic concerted SNAr reactions of fluoroarenes by an organic superbase
著者:Masanori Shigeno*, Kazutoshi Hayashi, Ozora Sasamoto, Riku Hirasawa, Toshinobu Korenaga*, Shintaro Ishida, Kanako Nozawa-Kumada, and Yoshinori Kondo
誌名:Journal of the American Chemical Society (IF = 14.4)
公表日:2024.11.8

本件に関する问い合わせ先

理工学部化学?生命理工学科
教授 是永敏伸 
019-621-6327
korenaga@iwate-u.ac.jp